こっち向いて笑って、先輩!


まさか、本当に食べてもらえたなんて。
しかも、しかもしかも!美味しいって!


「うっ、うう……きしゃらぎしぇんぱぁい」


辛いな、しんどいなって思うことが時々あって、先輩にもうまく渡せなかったと思って。


ネガティブ思考がどんどん続いていって、1人で必死に自分を取り戻そうとしていたけど無理で……だけど。


「おいおい。女なんだからもうちょっと綺麗に泣くとか意識したらどーなんだよ」


「うぅ……うへ……ぐずっ」


「ったくめんどくさい……」


ため息混じりでそういった如月先輩は、突然立ち上がると教室の中に入っていった。


あぁ、今度こそクソめんどくさいって思われたかも。


涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔、大好きな人に見せられるような顔面じゃない。


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