こっち向いて笑って、先輩!
「あんなでっかい声で自分の名前呼ばれちゃ、そりゃ『うるさい』って注意したくもなる」
「うっ、で、ですよね」
今すぐショベルカーで穴掘って埋まりたい。
「でも……」
「へっ、」
「言ってなかったから」
恥ずかしくてみれていなかった先輩を見ると、そっぽを向いてボソッとそう言った。
「美味かったって」
「っ、え、、、」
『美味かった?』
『うまかった?』
『ウマカッタ?』
「せせせせせ先輩!もしかして、マフィン食べたんですか?!」
あまりの衝撃発言に私はベランダのコンクリートにしりもちをつく。
「もしかしてって、俺に食べさせるためにくれたんだろ?一緒に入ってたメッセージにもそう書いてた」
っ?!
メッセージ?!先輩が読んだだと?!
いや、もちろんそのつもりなんだけど!
先輩に食べてもらうって言うのが目標で、必死に作ったけど!