私と結婚してください。



「いや、お前も大変かと思ったんだけど
普通に支度できてんじゃん」


「・・・仮に大変だったとして、凰成はなにをする予定だったわけ?」


「そりゃ、…………あ。」


「あ。じゃないわ!私女なんだからね!忘れないでよね!!」


「普通に忘れてた。お前女なんだったな。」


~~っ!!!失礼なやつ!!

……でも…


「…お気遣い、ありがとうございます。」


一応、心配はしてくれたんだよね?
本当に優しくなったもんだなぁ…


「……立てるか?」


「手、貸して」


「ん。」


ま、小指は痛かったけどさ
それも凰成の優しさの賜物だと思うことにするよ。


「よっ、と。ありがと。」


「おう」


「ねぇ、私もスリッパ欲しい。」


「スリッパ?
…あー、そういや希依は履いてねぇな。持ってねぇの?」


「持ってねぇから言ってんです」


「その言葉遣いなんなんだよ。
まぁ買うのはいいけど、お前のその足じゃまだ無理だろ。」


「えー、大丈夫だよー」


「無理して悪化させたらどうすんだよ。
とにかく、治るまでは外出すんな。」


「……はぁい」


ちぇっ。つまんない。
杖使えば全然大丈夫なのに。



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