私と結婚してください。
「そっちのもね、凰成がこれにするって決めたんだよ。
何が好きかわからないけど、これは好きだと思うから、って。
そういって買ったくせに忘れるなんて本当にバカだよね。」
「え……、じゃあこれも私の…?」
「え?他にいないじゃん!
ひとつは凰成だけど、もうひとつは希依ちゃんのだよ!
それ買って帰ろうってときに希依ちゃんいるのが車の中から見えて、凰成飛び出していくんだもん。
本当、びっくりしたよ。」
……そう、だったんだ…
私…、凰成の考えなんてなにも知らずにひどいこといった……
「さてと、渡すものは渡したし、私は帰ろっかな。
きっともう伊織たち、凰成の部屋にはいないだろうしね。
じゃあ、またね!」
「あ、あの!」
「ん?」
「……あの、玲子さんは…
その……、凰成たちとはどういう関係で…」
「あれ?聞いてない?」
「なんかちゃんと紹介するとは言われたんですけど全く聞いてなくて…」
「あ、そうなんだ。
私はあいつらとは幼稚園から一緒。
私もいわゆるご令嬢だからずっと仲良くしてて、今は女子高に通ってて、2年前から伊織の婚約者やってるよ。」
・・・伊織の、婚約者…
「え、えぇ!?伊織くんの!?婚約者!?
伊織くんですか!?」
「え?うん。
そんな意外かな?」
「だ、だって伊織くんってなんかちょっとガキっぽいっていうか……
その…頼くんとか凰成とかいるのにどうして伊織くんなのかなって…」
っていうか伊織くんと玲子さんじゃ釣り合ってない……
こんな大人びた玲子さんが、あのガキな伊織くんの婚約者なんて……
「ふふ、理由なんて簡単だよ。
お互い好き同士だから。それ以外の理由なんて薙いでしょ?
まぁ確かに頼とか凰成の方がしっかりしてるし?見た目もいいけどさ
伊織はなんか、そばにいてあげないと心配で仕方ないからさ。私がそばにいたいんだ。」
そういう玲子さんは本当にかわいくて、本当に恋する乙女で
ちょっと、伊織くんが羨ましくなった。
「希依ちゃんも頑張ってね。
凰成は人気高いから!」
「えぇ!?私はそんなんじゃ…!」
「そうなのー?お似合いなのになぁ」