私と結婚してください。



……凰成の忘れ物?それを私が?

・・・なぜ?


え、だって伊織くんや頼くんや竜司くんもいたんでしょ?
あの人たちなら凰成の部屋来れるのに…


「これね、凰成から希依ちゃんへのプレゼントだよ。」


「━━━え?」


「前に手に取ってたの見てたし、欲しいとも言ってたから、って。
あんな優しい顔する凰成、私初めてみたよ!
15年くらい一緒にいるのにね。」


え、え?本当に私に?
っていうか中身……


「…中、見てみたら?」


そう言われ、私は手渡された紙袋を開けた。


「っ……これ…!」


「ふふ、その反応は当たりってことかな?
凰成ねぇ、すっごい心配そうに選んでたよ。いつもはあんな自信満々なのに。

……あいつは不器用なとこ多いからさ、誤解もされやすいし愛情表現も下手くそすぎるけど
希依ちゃんは、あいつのこと見捨てないであげてほしいな。」


「え……?」


それは、どういう意味…?


「あ!それとこれもだ。
あいつもバカだよね~。自分の車できたくせに、車にすら乗らずに帰るから荷物も全部置いてってんの。

これも持っていってもらっていいかな」


「はぁ…、いいですけど
どうして私なんですか?伊織くんたちと一緒にいたんですよね?」


「あぁ、伊織たちはたぶん今頃凰成の部屋じゃないかな?
希依ちゃんと入れ替わって凰成と話してくるって言ってたから。

そのためにわざわざ希依ちゃんを呼び出したの。
これ渡すだけなら、呼び出さずにここ置いてくもん。」


……な、なるほど…
じゃあ私が邪魔だったってことか。

本当、あの人たちひどいよな……



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