私と結婚してください。
「…あのさ、希依ちゃんは凰成の姫、やめる気ない?」
「え?うん。」
なに…?その質問…
でも私はもう迷わない。凰成のお世話は私がやるって決めたんだ。
もう、絶対ぶれない。
「……希依ちゃんはめぐちゃんの友達だよね?」
「うん。…それが?」
「めぐちゃん、凰成のこと好きなんだって。
本当はずっと前から、凰成に片想いしてたんだって。」
「……えっ!?」
サラッと竜司くんの口から出たその言葉に、私は驚きが隠せなかった。
そんなこと、私は一度も聞いたことがなくて……
「で、でもずっと前からって…めぐと凰成に面識なんて……「あるよ」
えっ…?
「希依ちゃんは知らないと思うけど、俺と凰成とめぐちゃん、小等部3年の時に同じクラスだったんだ。
俺もすっかり忘れてたし、凰成も忘れてると思うけどね。
でも今あの二人は二人きり、きっとめぐちゃん凰成に話してるだろうね。
めぐちゃんと凰成、あの頃からよくバスケやってたし」
……そう、だったんだ…
だからめぐ、凰成のことも竜司くんのことも知ってたんだ…
「だからさ、希依ちゃん
めぐちゃんを応援するために、凰成の姫…やめない?」
……めぐのため、か…でも……
「……姫をやめるか続けるか、なんて姫の私が決めることじゃないことくらい、竜司くんだって知ってるでしょ?」
誰を姫にするか、なんて私が決めることでも、決められることでもない。
すべての決定権は凰成にあるんだ。