私と結婚してください。



「じゃあ俺、希依ちゃんの結婚相手に立候補しよっかな~」


「ぶっ!!」


落ち着くために紅茶に手を伸ばして口に含もうとした瞬間、今度は竜司くんが変なことを言い出すから

思わず紅茶、こぼすとこだったわ……


「あら。希依、よかったじゃない!
これで我が家の伝統を受け継げそうね~」


「ちょ、冗談に決まってんじゃん!
もういいから、お母さん向こういってよ!」


「ふふ、はいはい。
じゃあ邪魔物は退散しますよ~」


……ったく…


「もう、変なこと言わないでよ。
お母さん本気で話進め始める人だからね。

しかも竜司くんち、お金持ちだから。」


それだけじゃないだろうけどさ。
ないよりはあった方がいいもの、あっても困るものではないからね、お金って。

あれば尚良し、って感じだもん。


「俺、希依ちゃんにはもう嘘つかないっていったと思うけど。」


「……え?」


「あの日、結婚してくださいって言った時
俺もいいなって思ったんだよね、希依ちゃんのこと。」


「え、そう?なんか…ありがと?
でも私なんか姫にしても足手まといなだけだよ~」


はは、と思わず苦笑いしちゃった、けど……


「……希依ちゃんってさ
本当に恋愛経験ないんだね」


真顔でそういう竜司くんはいつもとなんか違って…私まで真顔になっちゃうくらいで……


「…え、と……」


なんて返せばいいか、わからなかった。



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