私と結婚してください。



朝ごはんに向かうため部屋を出る。
そしてそのタイミングで、正式に希依ちゃんもこの部屋から出ていく。


「お世話になりました」

「いやそれ昨日も聞いたけど」

「今のは部屋に言ったの!!」

「ふーん、そう」


しっかり大荷物をもって、ご飯前に凰成の部屋へと向かう。
…それは、めぐちゃんも同じことで


「あ、めぐおはよ!」

「希依、おはよ」


めぐちゃんも、ちょうど大荷物をもって部屋から出てきた。


「希依ちゃん、俺めぐちゃんと行くから」

「え、そう?」

「うん。今までありがとね」


俺は笑顔でそう言って、めぐちゃんの元へ向かった、けど


「竜司」


凰成に呼び止められた。


「なに?」

「お前さ…
…少しは、自分の姫のことにも目を向けろよ」

「…はい?」


なに、また意味不明。


「あ、やっぱりそうなんだ」

「なに、希依も気づいてたわけ?」

「うん、なんとなく。
なんか違和感あって」


え、この2人なに勝手に話進めてんの?
意味不明なんだけど。


「…なにが言いたいのか、俺にはサッパリなんだが」

「いいから、お前は自分の姫のことだけ考えとけ。
ちゃんと目を向けてろ。お前の姫なんだからな」

「…はぁ」


よくわかんないけど…


「ほら、めぐ大変そうだよ!
早く行ってあげな!」

「え、うん。
じゃあまたあとで」


俺はそれだけいって、先に部屋に向かっためぐちゃんの元へ走った。

…あの2人はいったいなにが言いたかったんだ…?


「大丈夫?」

「…え、竜司?
どうしたの?」

「どうしたのって、俺主人なんだから
少しは手伝わせてよ」


俺はそういって、荷物をもって部屋のドアを開けた。


「…なんか、竜司変わったね」

「え?そう?」

「私にも優しくなった」

「いやいや、前から優しいでしょ」

「いやそうじゃなくて」

「…?」


なに?
なんかみんなして、俺にだけよく理解できないんだけど。


「…なんか、もうちょいわかりやすく言ってくれない?」

「……だから!
そういうこと、前は希依にしかやらなかったじゃん。

私のことなんかずっと放置だったじゃん!

それなのに、私にも優しくするんだな、って思って…」

「あー…うん
希依ちゃんのことは、もう本当に諦めたの。

前は希依ちゃんで頭いっぱいだったのかも。ごめんね?」

「べ、別にいいけど」


そういや、俺
自分の都合でめぐちゃんを神楽に勧誘したんだよな。

希依ちゃんにも、凰成にも近づけるよ、って。


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