私と結婚してください。

観覧車の2人---凰成side





***



「ったく、伊織のやつ…」

「申し訳ありません、伊織様がどうしても希依さんと話がしたいと言うので…」


まぁ今さら希依とわざわざ2人きりになる必要なんてないかもだけど
…きっと希依となら、もっと楽しいことをバンバン言ってくれるんだろうな。

別に頼だから悪いってわけじゃねぇんたけど…


「…今日は朝からいろいろと申し訳ありません」

「は?…あぁ」


…ま、こういうことがないと、頼とゆっくり話せる時間もねぇか…


「…頼は、今のまんまでいいわけ?」

「……どういう意味ですか?」

「好きなんじゃねーの?希依のこと」

「……希依さんが笑ってれば、それでいいんです」

「欲ねぇなー
とりあえず告ってみりゃいいのに」

「希依さんが好きなのは貴方です。
私が気持ちを伝えたところで困らせ、私自身が希依さんの笑顔を奪うことになります。

…希依さんが、私を大切に想ってくれているからこそ、壊すことなんてできないんですよ」



ふーん、そういうもんかね。
でもまぁ…その程度で動くようなやつじゃない。

もしそんなんで気持ちが動くなら、もう好きじゃ…


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