私と結婚してください。


無事食事会も終え、私たちは寮へと帰った。


「パーティーか…」

「どうした?」

「え、あぁ
私こういう立派なパーティーって初めてで」

「え、でもただのホームパーティーだけど」

「いやいやいや
吉良家でやる時点でただのホームパーティーじゃないから!」

「でももっと力抜けって。
大した事ねぇよ」

「私からしたら大したことなんだもん!」


もう、わかってないなぁ!
ただの庶民があの豪邸のパーティーに行くことが、どれだけ大変なことか!!


「ってか、実際なにすんの?」

「…とりあえずエステとか」

「いや、見た目は関係ないだろ」

「でもほかの女の人、絶対きれいじゃん!」

「……あー…」

「ほら!思い当たる人いるんじゃん!!」


だって、玲子さんもめっちゃきれいだもん。
生まれ持った見た目だけじゃなくて、肌もきれい。体のラインもきれい。
仕草や言葉遣いまで、なにからなにまできれいなんだもん。

あのくらいにならなきゃ、きっと相手にしてもらえないんだよね…


「……とりあえず、玲子呼ぶか」

「あ、本当!?来てくれるの!?」

「たぶん来るだろ。
玲子もそのまま女子大に上がるだろうから受験があるわけでもねぇし」

「じゃあお願い!!
あと頼くんにもお願いしないと…」

「……俺は別に、希依はそのままでもいいと思うけど」

「凰成の意見じゃないの!
女性の目は厳しいんだから!」


もう、やるからには徹底的にやらないと!!
頑張るしかないよ!!


「ってか、パーティーいつ?」

「え?12月24日、クリスマスイヴパーティーだよ!」

「あー、なるほど」


もう、それまでに頑張って女になるぞ、うん。
暇つぶしにちょうどいいなんて、もういわせない!!


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