気まぐれ猫くんの手懐け方

待って。

お願い待って。


お腹をおさえる手に、ぐっと力が入る。


さらに、お腹にぐっと力を込めて引っ込める。


…すべては、お腹が鳴るのを防ぐため。




それからの15分は、今までのどんな授業よりも長く感じた。


どうしてもお腹が鳴りそうになったときは、咳払いをしたり、ノートをぺらぺらめくったりして、なんとかごまかした。


そんな私の行動を知ってか知らずか、


猫くんは頬杖をつきながら時折くすっと笑って、女の子顔負けの綺麗な字で授業内容をノートに書き込んでいっていた。



ああ、はやく昼休みになって~…!!!!!

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