気まぐれ猫くんの手懐け方

「陽愛」


後ろから肩を叩かれ、振り向けばそこには長身の玲央くんがいた。


「玲央くん!!体育祭お疲れ様!!」


「おー、陽愛もおつかれ!!」


「そんでもって赤組優勝おめでと~う!!」


梨乃が両手を挙げ、それぞれの手に私と玲央くんがハイタッチする。


「…アホらし」


すぐ隣からそんな声が聞こえるも、無視。


猫くんなんか、大っ嫌いだ。


「そんでさ、陽愛」


「うん?」


「ちょっと、いい?」


「うん!!梨乃、またあとでね!!」



梨乃に手を振ってから、玲央くんの後を追って教室を出た。



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