宙、優しい君は.
夏の終わり、初秋
私も春咲に続いて璃子の方へと戻った。
「璃子〜!遅れてごめんね!」
璃子は 大丈夫だよ、と言ってくれた。
その後も祭りを堪能し、気がつけばもう祭りの終わる時間になってしまった。
璃子はおばあちゃんの家によるから、と私とは反対方向に帰っていった。
私は家に向かって歩き出したが、歩いている途中で
人とぶつかってしまった。
「すいません!」
と謝ると、 「いえ、大丈夫です」 と、涙声混じりの女の子は反応してくれた。
しかし、その子の顔を見て驚いた。
「香澄ちゃん…?」