七瀬クンとの恋愛事情
「………ゴホッ」
「ったく、よくこんな状態で電車乗って来れましたねぇ、真っ青じゃないですかっ」
「………ぅ、すみません」
朝ちょっと身体がだるいな、なんて思いながら会社に出勤してきたのに、
だんだん熱っぽくなってノドが痛くなってきて、頭も痛くて集中出来ない状態に仕方なく昼前には早退する事にした
出来るだけの指示を出して、あとは他の人に任せて
「ちゃんと今から病院に行って下さいねっ」
「………ごめんね、お願いします」
そう言うと、名取さんに会社から放り出された
この状態だとたぶん2、3日休むことになりそうだ
「はぁ……情けない」
1人ノロノロとエレベーターまで足を引き摺りながら向かう
「………ぁ…」
その先からゆっくりこちらに向かってくる彼に一瞬息が止まる
たぶん朝から名取さんの甲高い声で騒いでいて
、私が早退することはわかっているんだろう
マスクを着けたまま顔を上げたが、この前のわだかまりがあるまま言葉を交わすどころか、
目も合わせないで機械的な挨拶をされた
あれから七瀬くんとはずっとこんな状態だ
またこっちが挨拶を返す前に、すれ違ってしまった
なんとなく後ろを向いて彼の背中を見つめた
「…………」