七瀬クンとの恋愛事情
「だから、誰も内緒でそう呼ばせてもらってます、倫子さん」
「そ……そうだったんだぁ」
ニコニコと笑顔でそう話した七瀬くん
……えっ、なに?!このほわぁんとした空気感
「あっ、あ〜ぁそう言えば七瀬くんってさぁ、会社内で彼女作らない主義なんだよね」
「ん?」
バツが悪くて何気に話題を変えてみた
さっきから私のことばっかりで、完全に形勢不利だし
実際七瀬くんの生態に関しては、見た目と噂しか解らない
いつもこの自信満々な後輩に弱点は無いものか
「え?別にそうゆうつもりはないですけど?」
「七瀬くん、最近そう言って事務の女の子振ったでしょ、2階の給湯室で」
偶然目撃した告白シーン
悪いとは思ったが、自前のコーヒーカップを戻したかったために、あくまでも待っていただけ
「ああっへぇ〜、見てたんですか?」
「ぐ、偶然よっ、最後の方だけね……」
『俺、社内恋愛するつもりないからさ、ごめんね』なんて、頭掻きながら申し訳なさそうにそう言っていた
上手いよね、そんな断り方
好きな人が、とりあえず自分の周りの人と付き合う心配がないってだけで安心するし
「ただの言い訳ですよ、それ」
「そう?かなり高度な断り方だと思うけど?」