七瀬クンとの恋愛事情

「なっ、考えすぎよっそんなの」

まるで私の周りにはそんな変な人しかいないみたいな言い方

「家だって近くだし、偶然装って家まで知られる可能性だって……」


私に懐いている子猫を覗きこみながらゆっくり視線だけ合わせてきた


「それとも出会い求めてたりします?」

「いい加減にしてっ」

ムッとして七瀬くんから背を向けた


なんなのさっきから、人のことバカにしたような言い方で

大体、君は本来古坂さんの家に泊まるために二人で帰っていったじゃないっ

それなに……

ここにいるのは本物の七瀬くん?
もしかしたら誰かが変装した偽物で、ドッキリとか罰ゲームとか……


って、いやいや
なんだか私まで思考回路がおかしくなってきてる






暫く待っていると、小学生くらいの女の子が父親と一緒に子猫を迎えにやってきた

「そらちゃ〜んっ」

嬉しそうに子猫を抱いてそう呼ぶと、子猫も小さく「ミャ〜ン」と鳴いた


そらちゃんって言うんだ


ホッとしたように手持ちのケージに入れられ、飼い主さんは御礼を言って子猫は家に帰って行った


「……………」



「…………誰が猫をきっかけに出会いを求めてるって?」


無事家族の元へ帰って行った子猫を見送った途端
湧き上がる腹立たしさ


「可能性の話だろ?一説の可能性、倫子さん流されやすいから」


「なっ、バカにしないでっ
飼い主さんだってあんなに子猫の心配してたじゃない。猫飼ってるのが男の人だったらダメな訳?
父親だっただけじゃないっ」
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