奏でるものは 〜功介〜


「私は功さんを怒ってないわ。
姉は幸せだったんでしょ?



あとで話を聞かせてくれる?」



顔を上げると、カオリちゃんが微笑んでいた。 
腕を取られて、立ち上がると、背中を押された。


唯歌が眠る墓にまっすぐ向った。



墓石を見て、ポケットから指輪を出して、供えた。

手を、合わせた。




……やっと、会えたな。ここに、いたのか……







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