奏でるものは 〜功介〜


龍と春菜は、最近は毎日会っていないようだったが、その日、龍についてコンビニに行くと、歌織ちゃんが優にも話しかけていた。



今は別れて正解だったのかもしれない。


あの二人の夢は、違いすぎるんだよ。


そう思うのは、第三者だからかもしれない。



俺も……変わる時か。


「何か買うの?」

歌織ちゃんに話しかけた。


「今日は何も買わないの。
春菜引き渡したら帰るだけ」


「そっか、俺はちょっとガムを…」


歌織ちゃんの横を通りすぎるときに小声で言った。



「指輪のことで、連絡いれるから、よろしく」



何も言うな、と思い、そのままガムを選びに行った。





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