奏でるものは 〜功介〜
第15章


大学では、サークルに入ってそれなりに楽しみながら、龍や昌とも時々あっていたが、昌は先に社会人になり、忙しくなると会う回数は自然と減った。


優は、学生の時旅行を兼ねて留学先まで龍と会いに行ったが日本には戻って来なかった。


大学を卒業し、社会人になった1年目は営業に走り、懇親会や他社の祝賀会では、挨拶に回り、あっという間に過ぎた。


2年目には、龍の会社のパーティで、歌織ちゃんと再会した。
サイタでまだ熊野として働き始めたと聞いて、驚いたが、時々会うこともあり、仕事を頑張っていることはよく分かった。




それから数年後、サイタカオリ、の名前を新役員名で見て、遂にか、と笑った。


龍の会社のパーティで、再会した優と歌織ちゃんが結婚したのは、それから1年ほど経ってからだったが、なんとなく親戚が結婚したようで、安心した。



同じ頃、龍も結婚して、昌も専門学校の同級生と結婚した。



唯歌と出会ってから、10年が経っていた。






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