奏でるものは 〜功介〜


「あ〜面白かった」



思わず吹き出した。
面白かった、は自分の感想で、俺に共感を求めているわけではない。


「何が、面白かった?」

「う〜ん、食べられる魚も、それと一緒に泳いでる魚も」

なるほどな、と運転しながら答えた。


「今からアウトレットモール行かない?」

「いいよ」


アウトレットモールに着くと、ミリは、2時間後にここで、とさっさと歩き去った。


え?と聞き返す間もなく、歩いていった彼女の後を追った。



が、一人で服を手に取り、鏡に服を合わせて、を繰り返している彼女に、俺が一緒にいる意味は無いな、と苦笑してメンズのフロアへ移動した。






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