奏でるものは 〜功介〜

「マジで、彼女できたのか？」


優と目が合ったが、逸らしてから言った。


「まぁな。今度また……会ってほしい？」

「ああ、良かったじゃねぇか」


ニヤッと笑って、それを誤魔化すために下を向いた。


優は、多分、本気の女はいないんだろう。

俺も本気じゃなかったら、優たちには会わせることもないから、会って欲しいと言ったのは、本気だと、いうことを伝えた。