奏でるものは 〜功介〜


「ね、音楽聞くの?」


大きなステレオに興味を持ったらしい唯歌が聞いてきた。


「何か聞く?」

「うん。コウスケがいつも聞いてるものがいい」


かわいいことを言うじゃないか、とそのまま再生ボタンを押した。


洋楽のポップスが流れてくる。



「洋楽は知らないの。でも嫌いじゃないわ」


「俺は洋楽ばかり聞いてる………おいで」


と言いながら唯歌の横に行って膝の間に横向いたままの唯歌を挟むように抱き締めた。

唯歌の唇に唇を合わせる。

深いキスに変わる。



俺の唯歌……誰にも触らせない……


欲望が遠慮を越える。


嫌なら止める、それだけ。




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