奏でるものは 〜功介〜


何となく、まだ馴染んでいないような幹部室に4人でいると、ドアがノックされた。

龍が、はい、と返事をすると、ドアが開いて高野、立花が入ってきた。



「あの、俺達、凌凛館高校の芸術科に受かって入学することになりました」

「おー、すげぇじゃん、おめでとう」

昌が大声で祝福した。


「それで、やっぱり、ここは続けられませんか?」


立花が伺うように言った。


「とにかく、おめでとう、良かったな」


優が笑って言う。

「先輩たちにも聞いてみた。

今回は、退学や引っ越しというわけでもなく、夢を持っての進学だから、良いだろうということになった。

これからも、メンバーとして頼むよ」


「ありがとうございます」


笑顔の二人の声が揃った。


「おめでとう」

「良かったな」

龍と俺も声をかけた。

「じゃ、失礼します」


と部屋を出てドアが閉まったとたん、良かった〜、と大声が聞こえて、笑ってしまった。

「結構、異例じゃねぇの?」

昌が言うと

「家庭の事情での退学じゃないからな、反対も無かったよ。
紹介者が小宮さんだからな」

優が笑って言った。

「なるほどね」

龍と頷いた。







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