お兄ちゃん、所により彼
現れた親戚
祖父が死んだ。
孫を虐めていた祖父がとうとう死んだ。
その日のうちに栃木へ帰り冷たくなった祖父を眺めた。なんとも思わなかった。

晩年はきよねさん、義理の母だが好きになれず未だに父の彼女だと思っている、が来てくれたおかげもあり、大人しい様子であった。
きよねさんは宗教さえ無ければ本当に申し分のないおばちゃんという感じである。

俺が家に着き、家族全員が揃ったと思ったら、父が驚くべき発言をした。

「今から大阪のおじさんが来るからちょっと掃除してて。」

おじさん???親戚はいなかったのでは?

しばらくして、父の車で背の高いシャキッとしたビジネスマンがやってきた。
祖父の棺の横で「おじちゃん」と声をかけていた。

「はじめまして。大阪の武見です。あ、本籍大阪にあるんやっけ??」
親戚付き合いの仕方がわからず言われるがままおじさんの前で正座した俺と弟はガチガチだった。
大阪のおじさんはきよねさんの存在も初めて知ったようであった。
そして、従兄である父と久々にいろんな話をしていた。

憔悴しきった祖母はずっと上の階にいて、おじさんには会わなかった。


おじさんは俺たち兄弟にいろんな話をしてくれた。おじさんの娘達、俺の再従兄弟にあたる子達がいること、おじさんは月のほとんどを東京で仕事していること。

「東京おるんやったら連絡ちょうだいや。大阪にもいつか遊びにおいで。」

親戚ってこういうものなのか。

すぐおじさんのことは好きになった。
祖父が唯一もたらしてくれた出来事であった。


その後、何度か大阪に行く機会があったが、度々大阪に行くようになった父ときよねさんに「向こうの娘ちゃんのお姉ちゃんの方、ほんまにしっかりしてていい子で、そんで賢くて!大輔くんと将志くん大丈夫かなぁ。」と言われ続けた。
おかげで、会ったことのない親戚の女の子が怖かった。高卒のフリーターのような俺は間違いなく馬鹿にされると思っていた。



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