ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~

 体が熱く、ふわふわしていた。

「――本題に入ろう」

 遠くから、蒼佑の低い声が聞こえて、葵はなんだか耳がムズムズした。

「交渉がどうのというのは、いったい何だったんだ?」

(そういえば、ここに来る前、交渉がどうのって、津田さんが……言ってたっけ……)

 いったいどうなることかと思っていたのだが、気が付けばあっという間に酔っぱらって、この体たらくである。

 だが考えてみれば、すきっ腹にアルコールを流し込めば、いつもより早く回るにきまっている。
 最近しっかりと食事もとっていないので、当然の結果と言えば当然だろう。

 情けない……そう思うが、瞼が重く、持ち上がらない。テーブルに顔を突っ伏したまま、ピクリとも動けない。

 結局、目の前にいるのに蚊帳の外という立場で、ふたりの話に耳を傾けるしかない状況だった。

「――ざっくり言ってしまえば、コミュニケーションとりましょうよってことを、言いたかったのよ」

 渉はさらさらと、言葉を続ける。


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