ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
「ナツメに彼女……」
だがそれどころではない。
突然、かわいい弟に彼女がいるかもしれないと言われて、葵は結構なショックを受けていた。
「なに、どうしたの」
渉の指摘に、葵は「えっと……」とつぶやきながら顔を赤くする。
さすがに二十六にもなって弟離れが出来ていないのは恥ずかしい。
「ごっ、ごめん、でも確かにいてもおかしくないよね……うん……高校生だし……」
葵はあはは、と笑いながら、そのまま誤魔化すように、半分ほど残っていた目の前のグラスの残りをグイッと飲み干してしまった。
「ちょ、ちょっとあんた、大丈夫!?」
「大丈夫……全然、平気」
「おっと、目が座ったわ」
あはは、と面白そうに笑う渉の顔を最後に、葵はまともな思考回路を失っていた――。