変わりゆくもの 変えゆくもの

タイムスリップ

「はいっ、チーズ…」


眩し…っ
思いのほかフラッシュが眩しくて目を瞑る。


『すみません、目瞑っちゃって…
もう1枚…い、ぃ…』


最後は言葉にならなかった。


近藤勇象に添えた筈の手は、着物を着た男の肩に添えられている。
男と向かい合うように立つ、黒髪を一つに結い上げている顔の整った男。
その男の私を見る目は、驚愕に見開かれていた。


『………ど、こ…?』


やっとのことでひねり出した声は震えていた。
そんな声も、ポニーテールの男によって掻き消された。


「なんだテメェ…っ!!」


叫びながら男は腰にさげた刀を抜き放った。
瞬発的に後ろに退き何とか避けたが、気になることがある。


…刀?
この時代にか?
宙に舞っているのは、紛れもない、私の切り離された髪の毛だ。
…本物、なのか、?


そんなことを考えているうちに、刀の柄が私の腹にめり込んでいた。


『カッ…ハ…っ!』


あまりの苦しさに息を詰まらせた私の意識は、闇に落ちていった…


















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