生き続ける意味 **番外編**
「…やっぱ、今日言えてよかったわ。」
あたしを優しく見つめながら翔は言った。
けど、あたしの頭の中ははてなマークでいっぱい。
「…え、まさかこのために…?」
「んー、近いうちに言うって決めてたけど、別に今日言おうとして来たんじゃなくて……
お前、ずっと休んでるから。心配だったわけ。」
んで、言ったと。
翔、あなたの勇気が素晴らしいです。
「だーかーら!」
翔はあたしの髪をくしゃくしゃっとして撫でた。
「元気出せよ。これからは俺が1番そばにいてやるから。
…まー、亮樹兄ちゃんには負けるかもしんねーけどな。時間的には!」
優しく笑う翔が目に焼き付いた。
改めて、好きって思った。
あたしは照れてるのを隠しながらうなずいた。
「うんっ…!元気めっちゃ出た!翔のおかげ!」
翔は、腕を組んでドヤ顔でうんうん頷く。
っていうか、亮樹兄ちゃんに負けるとか言ってるけど、亮樹兄ちゃんに対しての好きと、翔に対しての好きはまた違うし…
それに。こんなに誰かを恋愛として好きって、大好きって思えたのは、翔が初めてだよ。
…なんて、今のあたしに言えるはずもなく。