生き続ける意味 **番外編**
「っう……はぁ。」
腰が重く痛む。
体はだるくて、頭もポーっとしてて、もう理性なんてどこえやらってかんじで。
ときどき来る痛みの波に顔をしかめながら、必死で耐える。
あぁ……小さいことぶつかっただけでこんなになるとは…情けない。
ふぅとため息をしつつ、ベッドにうつ伏せになる。
「…ふ」
こんな状態でも顔がニヤついてしまうのは、やっぱり昨日あった出来事のせいで。
足をバタバタして落ち着かない。
自分の手をほっぺにあてた。なんだか熱い。
夢、なんじゃないか。
昨日の出来事のせいか、体調が悪いせいか、頭の中がふわふわして現実味がない。
実優に報告したいけど…病院で携帯が使えないのが憎い…
ま、いっか。早く治して報告しよーっと。
それにしてもニヤニヤがとまらない。
もうお昼だっていうのに、昨日から体が火照ってしかたない。
その時、突然ドアのノック音が聞こえ、明るめの声と一緒に茜さんが入ってきた。
「桜ちゃんー?お昼ご飯持ってきたよー。」
「わっ!えっ、茜さん…」
まずい、心臓に悪いぞ……
「ど、どうしたの桜ちゃん。
そんなに大きな声出して…」
びっくりしてその場で固まる茜さん。
あたしは慌てて首を振り、笑顔を作った。
…相当ぎこちなかったと思うけど。
「えっと、なんでもないんです。ただ驚いただけ…」
我ながら、なんという下手な言い訳。
というか、言い訳にすらなってない気が…
茜さんは首をかしげて、テーブルの上にお盆を置いた。
「はい、食べられるだけちゃんと食べてね!
食欲ないかもしれないけど、少しずつ食べて体力付けなきゃいけないから…」