生き続ける意味 **番外編**
亮樹兄ちゃんに手を取られても、力が入らなくてフラフラする。
「翔、そっち支えてくれる?」
「わかった。」
なんとか診察室に入ると、ベッドに座らされた。
涙が止まらない。
亮樹兄ちゃんは、あたしの前にしゃがむと、顔を覗きこんだ。
「桜?もしかして、病院に呼び出したから?」
あたしは力なくうなずいた。
すると、亮樹兄ちゃんは少しだけ微笑んだ。
そして、あたしの頭をそっとなでた。
「翔、ありがとうね。桜と話があるから今日はもうお家に帰ってゆっくり休んで。」
優しく言うと、翔は一瞬あたしの様子を見てうなずいた。
「うん...桜のこと、よろしくお願いします。」
そう言い残すと、診察室を出た。
翔が出て行き、二人だけになったのを確認して、亮樹兄ちゃんはふぅと息を吐く。
そして、苦笑いで桜の隣に座った。