生き続ける意味 **番外編**
「あっ、そうだ!翔から来なかったなら、桜から行けばいいんだ!」
突然、ひらめいたように言う実優。
「…ん?え?」
「そうだよっ、桜から攻めればいいんだ!」
せ、攻めればって!スポーツの試合じゃないんだから!
あたしはあわてて首を振る。
「あたしからって…無理無理!っていうか、あたしまだ…自分の気持ちがわかんないんだもん。」
あ、やばっ。つい口を滑らせちゃった…。
あわてて口を両手で押さえると、顔が熱くなるのがわかった。
「へーえ?ふーん?ほんとにそうかなぁ?」
それをからかうように、実優はニヤニヤしている。
「っ…もうっ!いいかげんに…」
「あっ…!桜あぶないっ!」
さっきとは打って変わって、いつもの実優の感じの響く声が聞こえた時には、もう時すでに遅し。
ドンッ!
文句を言おうとした瞬間、後から衝撃と痛みが走った。