完璧秘書の可愛い弱点
ー零ー

『社長』

「なんだ?スケジュールはもう聞いたが...」

スケジュールの確認も終え、普通はもう仕事を始めている時間なんだが

『これ、見覚えありませんか...?』

そう言って藤堂が俺にブレスレットを見せてきた

「これはっ...!」

こ、の...ブレスレットは...

俺が...幼い頃にあの子に渡したブレスレットと同じだった

あのブレスレットは特注で世界に一個しかない

『知っているのですか...!?』

「これを...どこで...!?」

『土曜にお母様が私に...』

お母様?まさか、お前も俺と同じ家柄なのか...?
                
もしかしたら...いや、こいつは...あの時のあの子...!

「覚えているか!?あの時のことをっ」

俺は藤堂の肩を揺さぶる

『...記憶喪失なんですっ』

「う、そだろ...?」

『車に、轢かれて...記憶が...消えた、らしいです』

んでだよ...なんでだよっ!?

藤堂は居づらくなったのか、そっと社長室から出た

俺は、頭を抱え込んだ


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