Contrary



“お前らつまんなさそうな顔してんなぁ!”

9年前。
出会い頭に僕達にそう言って、僕達の事を馬鹿みたいに笑い飛ばした。

おかしくもないのに笑ういけ好かない奴が大嫌いだった。


“俺さ、新しい父親が出来るんだと”

8年前。
またも笑いながらそう言ったくせに、遠くを見つめた目をしていた。

時折、下手くそな笑顔を見せるこいつが嫌いだった。


“義理の兄貴がさ、族に入んねぇかって言うんだ!”

7年前。
心の底から楽しそうに笑う姿を見て、こんなふうに笑うんだ……って呟きが誰かから聞こえた。

ただ、どこか僕達の心を見透かしたように見つめるその目は本当に苦手だった。


“お前ら、家に帰んなくていいのか?”

6年前。
家に寄り付かなくなった僕達に気がついたら、困ったように笑いながら言った。

僕達を想ってくれるその気持ちは少しだけ好ましかった。


“相変わらずつまんなさそうな顔だな!
よし!お前ら白鷺に入れよ!”

5年前。
名案だと言わんばかりに僕達を族に入れ、あっという間に僕達の居場所を作ってくれた。

太陽みたいな明るくて優しい笑顔が好きだった。


“俺さ、トップに経つような人間じゃねぇんだよなぁ”


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