【短】キミを好きだと叫んでみたら
と、そこには。


確か、『用事がある』と先に帰って行った李弥の姿があって。
俺はそれだけで嬉しくなって、李弥に近付こうとした。


した、んだ。


でも、足が動かない。

何故なら、李弥が俺の知らない男と仲良さげに話していたから。


なんで、そんなに笑顔なの…?
俺には今日一度も向けてくれなかった癖に…。


俺は肩が触れそうなくらいの距離で楽しそうに話してる二人に近づく事も出来ずに、そのまま踵を返してさっき歩んできた道を足早に戻って行った。
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