眼鏡をかけるのは、溺愛のサイン。



「どうぞ」

眞井さんの車の助手席に乗ろうと、開けてもらった中へ頭を掲げて覗き込もうとしたら小さな花束が置いてあった。片手に収まるような可愛いサイズだ。

「片野さんからだ」

「ありがとうございますっ」

花束を持って乗り込む。花の新鮮な匂いが鼻をかすめてうっとりしてしまう。
派遣だし、全く仕事できないのに、お忙しい中片野さんが選んでくださったと思うと嬉しい。

「綺麗な花ですよね。なんていう花ですかね」

小さな胡蝶蘭のような蝶のような形をした美しい花。、薄い桃色の小さな花が集まって可愛い。

「ハーデンベルギア。本当はもう少し前に咲く花らしいが、運よく見つかった」
「え、社長も選んでくださったんですか」

「選んだのは俺だが、手配してくれたのは片野さんだ。で、持ち手のチャームは君のイメージらしい」

持ち手のリボンにうさぎのチャームがぶら下げられている。
可愛い。

「……片野さんも眞井さんも、すごく優しいです。私みたいに派遣にこんなことまで」

「――優しいだけでそんなことをする男がいるかな」

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