俺はいつも一歩遅くて…。
はぁ…

「おーいなずなっ。バス乗るぞ」

ドンっと背中を叩かれた

「いってぇぇぇ」
「何眉間にシワ寄せてるんだよ」
「椿…」
そこにはニコニコと笑みを浮かべた椿がいた
「何々ー?恋のお悩み?」
「お前…変な所で鋭いよな…」
「まぁね。お前の幼馴染君だし」

確かに幼馴染ってのもあるかもしれねぇけど
椿は昔から優しいからな。
悩んでる奴はほっとけないんだろうな…

そう思いながら
俺は窓側の席に座りその隣に椿が座った。
椿はいつもそう。
窓側の方が好きなくせに、俺にいつも譲る。

こんなに優しくてイケメンな椿でも
恋に悩むんだな…。

「恋って難しいよなぁ」
俺がポツリと呟いた。

「だよねぇ…」
続けて椿も呟いた…。




「え!?お前、
恋って難しいとか思えるの!?」

「なんだよその言い方」
「だってお前いつだって女子が周りに」
「俺だって恋ぐらいしますよー」
ベーっと舌を出してきた。
「何だよその顔っ‼︎」
その顔があまりにも面白くて
俺は思わず笑い出してしまった。
「そこ。うるさい」

「す!すみません!」

そういえば今、
バスの中だったぁぁぁぁぁぁ。



「俺だって相談ぐらい乗れる。
何かあったらいつでも言えよ」

「ありがとな」

「おぅ」




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