俺はいつも一歩遅くて…。

お似合いな2人



好きって伝える事は
やっぱり前と後では全然違ってて
2人の間がギクシャクしたり
今までのように仲良く出来るわけではなくて
でも。




「蒼井っ‼︎」
「鈴木くん‼︎」

俺の目の前で鈴木は凛に駆け寄ったり、
普通に話したり、バスの前後に座ってて、
お菓子のシェアしてて…
蒼井さんから蒼井になってて…

それに、少しお互い照れてるように見える。
まるでお互い意識し始めたように


鈴木のように
良い方向へと変化する事もあるんだな。




話しかけて、2人の会話に
割って入りたい気持ちでいっぱいで
でも、すんでの所で辞められる。

だって、凛が楽しそうに話してるから。




「あれー?
凛が俺となずな以外の男と話してるの
俺初めて見たかもっ」

「あぁ。俺もだよ。」
椿に言われなくたって気づいてる。

凛は自分にあんまり自信無くて、
自分の可愛さに全然気づいてない。

凛は、可愛くて可愛くて仕方ないのに…


「それでさ〜…」
「えー!鈴木くんそれ本当っ?!」



人見知りのクセに…



俺はあの時飛び出せばよかったのか?
そうすれば、こんな思いはしなかったのか?

あんなに一生懸命告白してた鈴木の邪魔を?
あんなに喜んだ凛の邪魔を?


〝初めて告白された〟とか…

俺そんなの知らないし。

俺が告白すれば良かった。
俺が初めて告白したやつになれたら…
でも、俺は告白なんて考えもしなかった
幼い頃から好きなんだから
そんなチャンスはいくらでもあって
でも、告白なんて考えもしなかった…
違う…勇気が持てなくて、自信がなくて
考えようとしてなかったんだ。

自信がないのは当たり前なのに…
誰でもそうなのに…
勇気が持てない事だって…

自業自得と言えばそうなる。

後悔しか出てこない。
なんだよ。
俺、めっちゃカッコ悪いじゃん。


あんな可愛い笑顔。
幼馴染の俺らしか知らないはずだったのに…
鈴木なんかに見せやがって…
何だよ…それ…



何なんだよ。あいつら。
「結構お似合いじゃねぇか…」



俺はそう小さく呟いた。
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