俺はいつも一歩遅くて…。
登校中、俺は不意に
その事について考えていた。



「ほら。なずな。信号青に変わったよ。
さっさと歩く。」
この声をかけてきた
ポニーテールの女は
幼馴染の
今井 真琴 IMAI MAKOTO
何かと世話焼きな女。
陸上部で運動神経は良い。
俺よりも頭がいい。
まぁ次のテストは負けねぇけどな。


「おぅ。」
俺は素っ気なく返事をした。

そして横断歩道を渡り始める。



「何だよ、なずな
恋の悩みか?このモテ男が」

こっちも幼馴染の
五十嵐 椿 IGARASHI TSUBAKI
こいつもバスケ部。
チャラ男に見えてバスケ馬鹿。
でもまぁチャラ男も当たっているか。
頭は悪いはず…。

「うるせぇ‼︎」
椿が強引に組んできた肩を
俺は無理やりはがす


そういえばあいつどこいった…?

さっきから姿が見えねぇ


「なーにきょろきょろしてんだよ
あいつなら青になった瞬間
駆け出しやがったぜ」

「んなっ。おい椿!
別にあいつを探しているわけじゃ」

「はいはい。あんたは訂正しなくても
わかりやすすぎるのよ〜」

「ま、真琴‼︎」





「おーい‼︎
みんなで笑ってっ‼︎
何の話ししてるの〜??」


道路の向こう側で
俺たちを待つ人影が見える。


肩までのサラサラな髪の毛
頬を膨らましてこっちを見てる

ハムスターみてぇ。


「何々ー?まこ〜。
何の話ししてたのー?」

「どうでもいい話だよっ‼︎
さっ行こう‼︎りんっ」

こいつは
蒼井凛 AOI RIN
真琴と椿と同じ幼馴染。

そして。こいつが俺の好きな奴。








そう。







俺は、幼馴染に恋してる。
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