秘密の糸Season1㊤
「美…新川さん?」


振り向くと、涼汰君が自転車に乗ってライトを点けていた。


そして自転車を止め、河原に降りてきた。


「こんな所、一人でいたら危ないだろ…。
何やってんだよ。」


「り…香川さんこそ…どうして…。」


(やだな…今の私見てほしくないのに…。)


「俺、この近くにバイト先あるから。今はバイト帰り。」


「…そうなんだ。」 


「…どうした…泣いてたのか?」


私は、涙を拭いた。


「…何もないから。」 


そう言って私は、目を逸らした。


その時、涼汰君は何も言わず私の横に座った。
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