秘密の糸Season1㊤

そして一番、その言葉が引っ掛かった。

「え…？」


あたしが聞いた時、美菜が唖然としていた。


「…あのね舞由香。」


「…うん」


「私ね今…」


「…うん」


「…好きな人がいるの。」


「…え？」


「…だけどその人は彼女がいるの…。

私、最初は彼だけを大事にしようと決めてた。

…でも関わっていくうちに本当の自分の気持ちに気づいて
好きだって事に気づいた…。

…だから、諦めようと思った。

だけど諦めようとすればするほど、

どんどん諦められなくなって、

どんどん好きになってしまった…。

何で昔、付き合っていた時もっとちゃんと彼の事理解出来なかったんだろう…。

本当今更だよね…。」


美菜のその言葉を聞いて、その時あたしは新堂さんの顔が浮かんだ。


…あたしも同じだ。


彼女がいるのを知って、諦めようと思った。


だから連絡もしないようにした。


でも…諦められなかった…。


だからちゃんと、告白して諦めようと決めた。


そんな時、新堂さんがあたしを京都に連れて行ってくれた。


あたしは身体も心も繋がっていたと思っていた。



だけどあたしは…


新堂さんの、【偽りの彼女】にしかなれないことを知った…。


「…あたしも同じだよ。」