秘密の糸Season1㊤
第58話止められない
【盟加side】

今日は仕事前に龍司に会う約束をしていた。

円花にあのことを聞いてから、ウチは心に鉛があるみたいでずっとモヤモヤしていた。

けどウチには龍司がいる。

だから考えないようにした。

準備をし、そして待ち合わせ場所に向かった。

待ち合わせ場所にはまだ、龍司は来てなかった。

「まだか…ったくほんとノーテンキだからな龍司のやつ…しょーがねスマホ見てよ。」

そしてウチはしばらくスマホを見ていた。

時計を見ると、20分経っていた。

「まだかよ…何やってんだよアイツ!」

すると遠くから声が聞こえた。

「わりぃ、待たせた!」

「ったくほんといつもおせーよ龍司!誰かさんとはほんと大違いだな!」

ウチの言った事に対して、龍司は首をかしげた。

「は?お前誰と比べてんの?」

ウチは須藤さんと比べていることに気づいた。

「ダチだよ!ウチのダーチ!」

ウチはすぐさまごまかした。

「ふーん…ま、いいや行こうぜ。今日は昼メシ俺が奢っからよ」

「ラッキー」

そしてウチらはランチに向かった。

「お待たせしました。」

メシを食ってる最中、龍司が口を開いた。

「何かオメーと会うの久々じゃね?最近どーなん仕事」

《仕事》

そのキーワードを聞いて須藤さんの顔が浮かんだ。

「おい、盟加」

「え?」

「俺の話聞いてる?」

「あ…わりぃ」

そしてウチは料理を食べ続けた。

そしてウチらは店を出た。

「サンキューな龍司。」

「おう、なあこの後どうする?」

そしてウチらはメシを食った後、歩いていた。

その時近くでラブホがあった。

「入るか」

龍司に手を引っ張られ、そしてウチらはラブホに入った。

龍司はすぐさまキスをした。

「んっ…。」

ドサ

ベッドに押し倒され、そしてすぐさまウチの服の中に手を入れた。

チュッ


龍司が所々、ウチの身体にキスをした。

けど…。

何だろう…。

いつもは気持ちいいはずなのに、その時ウチは全然気持ち良くなかった。

そして龍司が入れてきた瞬間、

(痛!)

すごく痛かった。

その時龍司が、手を止めた。

「龍司…?」

「何か今日オメーへん、全然集中してねーじゃん…やっぱ何かあったんじゃねーの?」

「…ごめん。」

「もういいよ出よーぜ。」

そしてウチらはラブホを出て別れた。

「龍司ごめん…」

ウチはその時、帰って行く龍司の背中を見送るしか出来なかった。



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