この地球-セカイ君がすべて

祐の口から初めて聞く、祐の体内事情。
初めて聞く病名。


祐は健康で活発な男の子だとずっと思ってた。


でも、私の見えないところでいつも苦しんでいたんだなと思うと、胸が苦しい。


「…その病気、治ったの…?」


Yesの答えを待ち望んで聞いてみたけれど、答えは想像をもはるかに超えた。


「いいや、その病気は一生治らないよ。移植をしない限り」


そう言った祐の口調は淡々としていたんだけど、それとは裏腹に表情はものすごく曇っていた。


今にも泣き出しそうなくらいに。


「じゃあ、移植をするの…?」


「いや。…俺にはドナーがいないんだ。だからしようと思っても、できない」
< 167 / 261 >

この作品をシェア

pagetop