この地球-セカイ君がすべて

楽しい時間はすぐに過ぎてしまって。


夏のピークが去った今の季節、日没は思いの外はやかった。



展望室にある『恋人たちのベンチ』と称されるガラスベンチに腰掛ける。


気づけばもう19時近くになっている。


集合時間に間に合わないのは明らかだ。


…でも、そんなことはどうでもいい。


とりあえず今は、祐とずっと一緒にいたかった。


遅刻することは渓くんが『どうにか話つけといたる』と言ってくれたので、1人はぐれて迷子になってしまったという程で行こう。


そんなことを考えていると、隣からそっと手が伸びてきた。


そしてその手は、優しく私の手を包み込む。
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