湖都子のポエム8

嫉妬

キミの思うような男じゃなくても……?

誰にでも優しいキミ
誰にでもキラキラ笑顔を見せる
キミの気持ちを確かめずにいられない

愛されてるって……
幸せになれるって……
安心したい……

キミはオレの心にさすたったひとつの光
キミがいなければオレの心は死んでしまう
キミはオレだけのものだ
キミは絶対に誰にも渡さない
_________________________________________
奈緖が今日からファミレスでバイトを始めた。バイトが終わる時間は聞いていた。店の外で待っていた。

知らない男と話していた。心が狭いって……分かってるけど……奈緖に言わずにはいられなかった……

「他のやつと笑い合ってるのかと思うと、ムカつく」
「ちが……っ」
「俺が嫉妬してるだけだ……」
「本当に違うの……」
「何が違うんだよ!」
「あのね……からかわれていただけなの……」
「そんなに仲良くなったってことか……」
ますますムカつく
「外にずっと青い服の人がいるってはなしになって、見に行ったら、青い服のヒロだったの……」
「え……」
「からかわれて恥ずかしかったけど、ヒロがきてくれたことがうれしくて……」
嫉妬で黒くなっていた俺の心に、奈緖のはにかんだ顔がつきささった。心臓がどんどん高鳴っていく……嫉妬心が一瞬ではじけて消えてしまう……
「ヒロが嫉妬するなんて思わなかった。ヒロの独占欲初めて知った。」
「嫉妬するに決まってんだろ……」
「ちょっと怖かったけど、嬉しかった」
甘い恋の魔法……奈緖が笑顔を見せると……
「奈緖は、俺だけのものだ……」
「ヒロだって、私だけのものだよ……」
奈緖が心変わりしたらとか考えて不安だった。幸せな今があるのに……まだこない未来を考えて不安だった。この幸せがいつまで続くかなんてわからない。だからこそ今の幸せを大切にしよう。

嫉妬して、奈緖にイヤな思いをさせるなんて、みっともない。みっともなくても、これが俺の本音なんだ。溢れる感情をおさえられなかった。



< 81 / 117 >

この作品をシェア

pagetop