眠り姫の憂鬱。
「ガムテ余ってない?クラスの奴が買ってくるまで貸してほしいんだけど」
「余ってはないと思うけど、いいよ!貸す!」
「は?お前の判断だけで貸して大丈夫かよ」
「バレなきゃ大丈夫だよ」
しかも相手は楓だし。クラスの女子たちも許してくれるだろう。
イケメンにはみんな弱いはずだ。
「あ、そ。じゃあ借りるわ」
「うん!」
「…頑張れよ」
楓はふわりと微笑むと去っていった。
…やっぱり、楓の何かが変わった。
前よりも私に対しての雰囲気が柔らかくなったというか。妹のように接されているような気もするが。
進歩したのか、後退したのか、わからないけれど、出会った頃の関係性から変わっていっていることだけはわかる。
どうか、進歩していたらいいな。
私はもう一度筆を握り直して、眩しいくらいに鮮やかなスカイブルーを塗り進めた。