眠り姫の憂鬱。


土日になれば、七海ちゃんも一緒に来てくれた。


「診察のついでだから!」


七海ちゃんはそう言うけれど、たとえそれが真実だとしても七海ちゃんと会えることが退屈な入院生活の楽しみになった。


「雅ってさ、ただ風邪をこじらせて入院してるわけじゃないでしょ?」


ある日、いきなり七海ちゃんにそう言われて息を飲んだ。

そんなにわかりやすかっただろうか。そんなに弱っているように映っていたのだろうか。


「なんとなくわかるよ。私も病気もってるから」


どうやら空気感とかそういうのでわかったらしい。

空気感などわからない人にはわからないだろうから、七海ちゃんは感受性が豊かなのかもしれない。


「なんで隠してるの?」


そう聞かれると困ってしまう。

そもそも私には家族以外に病気のことを打ち明けるという概念がなかった。

それを今更告白する気にもなれなかった。受け入れてもらえるのかわからなかったから。

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