眠り姫の憂鬱。


今日は大人しく先生の言うことを聞いて安静にしていよう。


「あ!雅!!」


と、その時、後ろから真依の声が聞こえてピタリと足を止め、振り返った。


「あんた!昨日なんで休んだのよ。連絡くらい寄越しなさいよ!」

「へっ?」

「へっ、じゃないわ!私が送ったメッセージにも返信ないし」

「えっ、ごめん!」


慌ててスマホをカバンから取り出してメッセージアプリを開くと真依から何件かメッセージが送られていた。


「全然気付かなかった…。ごめんね」

「もう!心配するじゃん」


昨日は1日中スマホを自分の机に置きっぱなしにしていて触らなかったから全く気付かなかった。


心配かけまいと何も言わなかったのだけど、逆効果だったみたいだ。

休むことくらい連絡しておけばよかったと後悔する。


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