フレーム
とくんっ…
太一君の笑顔に
そう高鳴った心臓を気にしないように、
「やっ!ちょっとやめて!」
そう太一君の腕を掴むけど、
力の差で全くおさえられない。
「え?もっとやって欲しい?」
「太一君!」
「あ、そろそろ。
それじゃ行きますか。」
ぱっと手を離して
先を歩いて行ってしまう太一君を睨みながら
髪を結び直すと、
「ラブラブだねぇ」
「妬けるわぁ」
と、矢野先輩と暁先輩が
通り過ぎ様に私に言う。
ら、ラブラブ!?
どこが……
「えぇ……」
そう間抜けな声を出しながらも
私もみんなを追いかけたんだ。