リナリア -兄編-


貴女はいつも

俺の腕をスルスルと抜けていく。



どこかに行ってしまいそうで

とても怖くて

腕を掴んでいたかった。


でも、それは

俺のやることではなくて、

貴女は俺を望んでいなくて

でも貴女はどこまでも

俺の中で一番の人だった。



どうしても

なんとしても傍にいたかった。

見ていたかった。


欲を言えば、

俺のものにしたかった。

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