小さな恋物語
この日、健太郎が来ていることに気づいたのは、女子の騒ぎ具合がきっかけだった。

「あ、永山くんだぁ〜!どうして昨日は来てすぐに帰ったの?寂しかったんだからぁ」

「健太郎、今日こそ一緒にランチ行こうよ!」

やっぱりイライラする。

私がイライラする原因は、女子のキャピキャピ具合もあると思うけど、健太郎の優柔不断さにもあると思う。

「あぁ、うん……」

「ランチ?うーん……」

いつもこんな感じで、きちんと受け答えをしない。

そんなんだから、うっとおしい女子に絡まれちゃうんだよ。

「ねぇ、谷崎さんと健太郎くんって付き合ってるの?」

健太郎を囲っている女子の誰かが、そんな質問をした。

本人は私に聞こえないように小声で言ったつもりなんだろうけど、丸聞こえ。

……健太郎はどう答えるんだろう。

“幼馴染みだよ”

かな。
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